初めまして。私は某大学で研究助成金獲得業務を行ってきた「もとじむ」と申します。
このサイトを作ろうと思ったきっかけは業務外で知り合った他大学の教員の方のお話を伺ったことです。
研究機関によっては研究への細かいサポート体制がないということを知り、
もしかしたら私のつたない経験でも役に立ててもらえるのかもしれないと思い立ちました。
このサイトをご覧戴くに辺り、「はじめに」と「ご留意頂きたいこと」をご覧いただき、ご理解ください。
非営利目的であり、更新頻度は一定ではありません。時々、思い出した様に記事を追加することになると思います。

令和2年度の科研費の公募が始まりました。
前回の公募より、応募分野の大規模な変更、審査方法の変更、様式の変更等、かなり大がかりな変更がありました。
このサイトでは順番に記事を更新していきますが、全てのページが新様式に書き換わるまではかなりの時間を要しますので、ご容赦願います。場合によっては様式の変更は間に合わない可能性もあることをご理解ください。
目次

留意事項やお知らせ
はじめに。このサイトを開設したきっかけ。
ご覧頂くに当たってご留意頂きたいことなど。
科研費関連サイトリンク集

研究計画調書作成のポイント
科研費の計画調書は誰もが書きやすい申請書類。
研究種目の選び方
審査希望分野の選び方
研究組織(研究代表者、分担者、連携研究者、外国人)の考え方
最も重要なのは研究の背景をどう書くか。 
審査員の目を想像しながら計画調書を組立てる(1)
審査員の目を想像しながら計画調書を組立てる(2)
採択の分かれ目は「普通プラスα」。5段階評価の真実。
※平成30年度公募分から4段階審査になります。(書き換えてあります。)
効果的に審査員に研究内容を訴える書き方の例
意外とできてないのが書くべきことを書くべき欄に書くこと。
科研費の公募にまつわる資料や様式の種類の解説。
研究費の考え方、組立て方。 


研究計画調書 各項目の書き方 具体的解説
「研究目的、研究方法など」の書き方
「本研究の着想に至った経緯など」の書き方 
「研究代表者および研究分担者の研究業績 」の書き方 
「人権の保護及び法令等の遵守への対応」の書き方 
「研究計画最終年度前年度の応募を行う場合の記入事項」の書き方  
「設備備品費の明細」の書き方 
「消耗品費の明細」の書き方 
「国内旅費、外国旅費」の書き方 
「人件費・謝金、その他」の書き方 
「研究費の応募・受入等の状況」の書き方
若手研究:「研究略歴」の書き方
研究分担者承諾書とは?
「応募情報(Web入力項目)」と「応募内容ファイル」。提出までの流れ。


研究者が噂する科研費審査都市伝説?
科研費は国立大学に所属していると採択されやすいのか?
審査員は3年で入れ替わるのでしつこく出せば3年目にお情けで通る?
文系の申請書は控えめな金額で出さないと通らない?
図表やイラストはカラフルに仕上げる方がよい?


意外とできてないのが書くべきことを書くべき欄に書くこと。

タイトルを見て「何を言ってるんだ。当たり前のことだろう?」と思われた方は多いと思いますが、
これまた「意外と」と書いたとおり、これに当てはまる方が結構いらっしゃいます。

事務的項目が明らかに間違っている場合、例えばエフォートなどの欄に細かな説明が書かれていたりすれば、
「これはこういう趣旨の欄なので、説明は不用です。」とフォローを入れることもできるのですが、
研究内容と研究方法がごちゃごちゃになっていて、研究の背景を書くべき所に、具体的な研究方法を述べているものなどもあり、
こういった内容に触れるものは事務担当者にはつっこみきれません。(先生のプライドが傷つくので。)

また、昔の科研費の研究計画調書は非常にシンプルで、表題や審査希望分野などを書いた表紙が最初にあって、
その後、研究目的、研究内容、研究経費、研究業績と書くことはこのくらいで終わりでした。
だからそれなりに書く方も混乱せずにスムーズにかけたはずです。

しかし、最近は、この他に「研究の準備状況」や「これまでに受けた研究費やその関連性」「人権の保護や法令等の遵守への対応」「研究経費の妥当性・必要性」「研究費の応募・受入等の状況・エフォート」といった具合に、研究の内容を様々な面から説明するための欄が増えていました。

その上、平成30年度の公募から、研究目的と研究方法欄が統合、研究の準備状況欄の変更、研究経費、研究費所応募状況欄などは電子申請システムから入力になるなど、大幅に変更となっています。
よく見れば合理的に変更となっていますが、今年はとまどうかもしれません。

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posted by もとじむ at 2017年09月27日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最も重要なのは研究の背景をどう書くか。

十数ページにも渡る科研費の研究計画調書を作成するにあたり、最も力を入れて書くべきページは調書の冒頭にある研究目的です。
その応募課題の学術的背景や社会的意義、研究の着想、何をどこまで明らかにするのか、そしてその課題を
遂行することによって、学術的にどんな発展が得られるのかということを訴えるページです。
そしてこの次の段階で、この目的を達成する為に必要な研究方法を述べ、研究に必要な費用を案分して記載し、
その研究をやるだけの力があると説得するために研究業績を記載してフィニッシュ!です。

研究として最も重要なのは「研究方法」、それから得られる「結果と考察・研究成果」であることは明らかですが、
いくら素晴らしい発想の研究でもその研究の意義を審査員に訴えかける力がなければその時点ではじかれてしまいます。
審査員がその研究の続きが知りたくなるように、興味をかきたてることが重要です。
なぜなら冒頭で興味を失えば、いくら次の研究手法が素晴らしくても書類を読んでもらえなくなるからです。
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posted by もとじむ at 2017年09月26日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

図表やイラストはカラフルに仕上げる方がよい?

タイトルはこれまたとある大学(他大学)の先生とお話ししていた時に言われたことです。

「外部資金の獲得など、研究活動の支援をする部門で働いていたんですよ。」と共通の話題を探しながら申し上げたときのこと。
「うちの大学でも最近事務の人がいろいろ言うんですよ。」との言葉の後に続いたのがこの台詞。

「こういうのは文章で並べ立てるより表にしろとか、表の背景を色分けして綺麗に見やすくしろとか。」

それを聞いて思わずのけぞってしまいました。表にしろというのはともかくカラフルにしろというのはどうかと思ったのです。
だって、審査員に渡る書類はモノクロなんですよ。その大学の事務の方はそのことを伝えておられないのだろうか???
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posted by もとじむ at 2017年09月25日 last update | 研究者が噂する審査都市伝説? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

研究組織(研究代表者、分担者、連携研究者、外国人)の考え方

科研費は我が国の基礎から応用までのあらゆる「学術研究」を発展させることを目的とした研究補助金です。
しかし、日本国民なら誰でも応募出来る物ではなく、文部科学省が定める研究機関に所属している「研究者」を対象としています。
その研究機関とは、一般に営利目的の研究活動をしている企業の研究所に所属する研究者は含まれていません。
そのような研究機関を支援する補助金は文部科学省ではなく経済産業省等が管轄しています。
一般に、大学等の教育研究機関や公益の研究所等に置いて研究活動を主たる業務として行っている研究者や
主たる業務は研究でなくとも所属研究機関内で研究活動をすることを認められているものが対象です。

応募する課題の研究代表者等は、応募に先立って府省共通研究開発管理システム(e-Rad)に登録をしないといけません。
この登録作業は所属研究機関の担当者が行います

応募課題を遂行するために研究組織を組む前に、組織構成のルールやe-radへの登録等の作業があるため、
研究組織の構成要因の呼び名や手続きは研究計画調書を作成する前に知っておく必要があります。
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posted by もとじむ at 2017年09月24日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

研究種目の選び方

科研費は全ての分野の基礎から応用までのあらゆる学術研究を格段に発展させることを目的としているため、
研究の規模や性質により、多様な研究種目から選んで申請することができます。

例えば「特別推進研究」は、新しい学術を切り拓く真に優れた独自性のある研究であって、格段に優れた研究成果が期待される一人又は比較的少人数の研究者で組織する研究計画に与えられる研究費で、科研費の中で最もハードルが高いものです。研究費も2億超え。最大5億円までです。
平成30年度公募からは、「新しい学術を切り拓く真に優れた独自性のある研究」を重点的に支援するものとして、その位置付けを明確化し、「現在の世界最先端の研究」の単なる継続・発展の支援ではなく、新しい学術の展開に向けた「挑戦性」を重視し、研究者が従来の研究活動を超えてブレークスルーを目指す研究を支援するとか。5億円程度もの「国民の税金」を投じるワケですから、よっぽどの研究内容でないと採択とはなりません。

そんな大規模な研究と実績の少ない若手研究者を同じ土俵で争わせることは公平ではありませんし、
ひいては学術研究の発展を妨げる。
研究の背景に応じて柔軟に対応すべく次のような研究種目にわけられ、研究種目ごと、さらには審査区分ごとに審査され、研究費が配分されます。
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posted by もとじむ at 2017年09月23日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする