審査員の目を想像しながら計画調書を組立てる(2)

前のページで審査員に効果的に研究をアピールし続けて100%の採択率をほこっていた先生を例に出し、
どんな風に研究計画調書を書いていたかなどをご説明しました。
審査員はどんな人か、何を評価するかなどを想像し、客観的に自分の応募課題を分析してみましょう。といった内容です。
科研費の審査は科研費はピア・レビュー(=研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証)という形式をとっています。
審査員が同業の学者なのですから学者がどういう目で人の研究を見るかという視点に立って、
研究計画調書を書きましょうということです。
しかし中身がどうのという以前にもっと基本的なことで審査を自ら不利にしている方も多くいらっしゃいます
今回はその辺りについて書きたいと思います。
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posted by もとじむ at 2017年09月15日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

審査員の目を想像しながら計画調書を組立てる(1)

科研費の計画調書は誰もが書きやすい申請書類。」にも書きましたが、科研費はピア・レビュー(=研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証)を経て審査されます
民間の助成団体や企業との共同研究などは資金提供側からの研究の方向性や成果の要求に応える必要がありますが、
科研費は広い意味での学術研究の発展を目的としているため、この方式が最も適切だと判断されたのでしょう。

当然、審査員が誰かまでは公表されませんが、応募する分野に置いて、相応の実績を持つ研究者だと想像できます。
近年では審査をより公平に行う目的で日本学術振興会が審査員対象者のデータベース化を進めており、
学協会から情報提供や学術システムセンターからの推薦、さらに科研費に採択されたことのある研究代表者を
データベースに登録し、その中から必要に応じて審査員が選ばれます。
ある日突然、研究機関の科研費担当者宛に書類がやってきて、「お宅の◎○先生に審査員してもらいたいんだけど本人に了解とってくれない?」という確認を頼まれます。(書面です。そしてこんなラフな文章じゃないです。当たり前ですけど。)
先生が審査員になることを了承すると、審査書類の束が入っていると思われるびっちりとのり付けされた封筒が
「これを◎○先生に渡してね」と添え書きつきでぼーーんと送られてきます。

封筒の厚みはその時々によってまちまちです。
応募書類が多い研究種目、審査分野だと厚くなるでしょうが、密封されているため、
どの研究種目のどの分野の書類を審査しているかは本人にしかわかりません。
その後は審査員となった先生が指定の手順に従って公平に審査し、評価書類を学振に返送するわけです。

つまり先生のとなりの講座・研究室にいる同僚の先生が過去に科研費に通ったことがある場合、
その先生は今年の科研費の審査員の一人かもしれません。
(審査の公平性を期すために同じ所属研究機関の研究者の応募書類を審査させたりはしないと思いますけども。)
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posted by もとじむ at 2017年09月13日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

科研費の計画調書は誰もが書きやすい申請書類。

科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金。以下、科研費)は文部科学省が主管する研究補助金です。
文部科学省風にお堅くいうと「競争的研究資金」。
つまり手をあげれば誰もがもらえるワケではなく、審査を通った研究課題に適切な研究費が交付されます。

対象となる研究分野は幅広く、人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたる上、
我が国の基礎から応用までのあらゆる「学術研究」を発展させることを目的とした研究補助金です。
研究機関に所属している常勤の研究者もしくは非常勤でも所属機関が事務取扱をするのであれば応募できます。
応募できる研究分野が限定されておらず、また審査員が日本の研究者であり、採択率も30%と非常に高い。
日本の研究機関に所属する研究者にとって、最も研究資金を得やすい補助金制度です。

科研費の獲得件数や交付額が多いことは研究機関としてのステータスにもなります。
少子化で受験生が減ったり、国公立大学が独立法人化したりといった社会的な背景もあり、
科研費の獲得件数を増やすことが研究機関としての至上命題みたいになってきており、
応募しなければ研究機関から交付される研究費を減らされたり、逆に応募や採択でプラスされたりと、
これまでさほど競争的資金の応募に積極的ではなかった研究者にとっても人ごとではなくなりつつあります。

20年前は数枚にまとめれば良かった応募書類が気がつけばA4サイズで14ページあまりになっており、
文章の組立が苦手な人にはそれだけでめまいがするでしょう。
特に昔から応募をしてきた人にとっては「なんでまたフォーマット(様式)が変わってるの!」といらつくこともしばしば。
しかしこの業務に裏で携わってきた私からすると、審査員や応募者の声を上手にくみ取っているなぁと感心します。
一度に何十万件も集まる応募書類を公平に審査するためによく考えられているのです。

煩雑な日常業務に追われている研究者にしてみれば、そこまで細かく応募書類を見てられないようで
書くべき事柄が書くべき場所に書いてなかったり、応募要項をよくよんでおらず勘違いしていたり、
研究の中身を伝えきれないが為に書類審査で落ちるという非常にもったいない状況が起こっています。
研究計画調書の大まかな構成と書き方のコツを憶えさえずればこれほど書きやすい応募書類はないです。
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posted by もとじむ at 2017年09月09日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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