科研費の公募にまつわる資料や様式の種類の解説。

科研費の研究計画調書は、それぞれの応募者の研究内容を審査員にアピールするために必要不可欠なことが、
過不足なくびっちりと詰め込まれています。
研究の内容そのものを審査員に伝えるためだけでなく、審査を取り扱う事務側(日本学術振興会など)の取り扱いやすさ、
法令などに抵触していないかなどの判断材料などの項目がはいり、盛りだくさんです。
時代に合わせて研究計画調書が徐々に進化している(増ページしている)のはわかるのですが、
初めて科研費に応募する人の中には、関連書類がありすぎて混乱することもあるようです。
また、研究計画をたてたり、研究経費を見積もって算出することなどは当たり前の話で誰もが納得する記載項目ですが、
「その算出根拠を説明しなさい」なんて欄まであって、「なにをどう説明すればいいんだ!」とよく聞かれました。

某私立大学にいた私の経験で言いますと、一般的に国公立大学出身の先生は全く違和感を抱いておられませんでしたが、
民間企業等の出身の先生はお役所文書に慣れておらずパニックになる人もおられました。

今は独立法人化したため事情は違うかもしれませんが、国公立大学の場合、学校の全体予算そのものが税金なので、
普段から書類の取扱等がキッチリしていたのだと思います。
(ちなみに噂によると某国立大では応募書類の提出日を1日でも遅れるとシュレッダーにかけて捨てていたそうです。)

かくいう私も科研費の担当になりたてのころはわけがわからず、先生方から質問の電話を受けるのがイヤでした。
意味のわからない初めて聞く用語ばかり。助けてくれる先輩もいない状態で、四苦八苦したことを憶えています。

初めて応募する時は混乱するかもしれませんが、最初だけです。
携帯電話の機種変更をしたり、新しいソフトウェアを買った時と同じ。やってみれば慣れます。
その為に応募のために必要な各種資料、補足資料等の役割、さらに研究計画調書の各欄についてを私なりに補足説明します。
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posted by もとじむ at 2017年09月28日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

意外とできてないのが書くべきことを書くべき欄に書くこと。

タイトルを見て「何を言ってるんだ。当たり前のことだろう?」と思われた方は多いと思いますが、
これまた「意外と」と書いたとおり、これに当てはまる方が結構いらっしゃいます。

事務的項目が明らかに間違っている場合、例えばエフォートなどの欄に細かな説明が書かれていたりすれば、
「これはこういう趣旨の欄なので、説明は不用です。」とフォローを入れることもできるのですが、
研究内容と研究方法がごちゃごちゃになっていて、研究の背景を書くべき所に、具体的な研究方法を述べているものなどもあり、
こういった内容に触れるものは事務担当者にはつっこみきれません。(先生のプライドが傷つくので。)

また、昔の科研費の研究計画調書は非常にシンプルで、表題や審査希望分野などを書いた表紙が最初にあって、
その後、研究目的、研究内容、研究経費、研究業績と書くことはこのくらいで終わりでした。
だからそれなりに書く方も混乱せずにスムーズにかけたはずです。

しかし、最近は、この他に「研究の準備状況」や「これまでに受けた研究費やその関連性」「人権の保護や法令等の遵守への対応」「研究経費の妥当性・必要性」「研究費の応募・受入等の状況・エフォート」といった具合に、研究の内容を様々な面から説明するための欄が増えていました。

その上、平成30年度の公募から、研究目的と研究方法欄が統合、研究の準備状況欄の変更、研究経費、研究費所応募状況欄などは電子申請システムから入力になるなど、大幅に変更となっています。
よく見れば合理的に変更となっていますが、今年はとまどうかもしれません。

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posted by もとじむ at 2017年09月27日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最も重要なのは研究の背景をどう書くか。

十数ページにも渡る科研費の研究計画調書を作成するにあたり、最も力を入れて書くべきページは調書の冒頭にある研究目的です。
その応募課題の学術的背景や社会的意義、研究の着想、何をどこまで明らかにするのか、そしてその課題を
遂行することによって、学術的にどんな発展が得られるのかということを訴えるページです。
そしてこの次の段階で、この目的を達成する為に必要な研究方法を述べ、研究に必要な費用を案分して記載し、
その研究をやるだけの力があると説得するために研究業績を記載してフィニッシュ!です。

研究として最も重要なのは「研究方法」、それから得られる「結果と考察・研究成果」であることは明らかですが、
いくら素晴らしい発想の研究でもその研究の意義を審査員に訴えかける力がなければその時点ではじかれてしまいます。
審査員がその研究の続きが知りたくなるように、興味をかきたてることが重要です。
なぜなら冒頭で興味を失えば、いくら次の研究手法が素晴らしくても書類を読んでもらえなくなるからです。
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posted by もとじむ at 2017年09月26日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする