研究分担者承諾書とは?

科研費を応募する時、応募する本人を研究代表者といいます。
また、応募する研究種目によっては応募者を研究代表者として研究組織を構成することが可能で、
その研究組織内に研究分担者や連携研究者などを含めることができます。
具体的な分け方は「研究組織(研究代表者、分担者、連携研究者、外国人)の考え方」に記載したとおりです。

研究組織の構成員の中でも研究分担者は研究内容に対し一定の責任を負う立場にあります。
応募研究が採択されると研究経費の一部の配分を受け、研究分担者の所属研究機関が適切に処理する必要があります。
研究分担者は分担者として応募することを所属研究機関に事前に承諾を得ることが義務づけられており、
その為の書類が「研究分担者承諾書」です。

研究分担者承諾書には大きくわけて2種類ある。


研究分担者承諾書には2種類の書式があります。
一つは研究分担者が研究代表者と所属機関が同じである場合に利用する「研究分担者承諾書(同一機関用)」。
もう一つは、研究分担者が研究代表者と異なる研究機関に所属している場合の「研究分担者承諾書(他機関用) 」です。

同一機関用の研究分担者承諾書は研究分担者本人が研究代表者へ提出する形態で、いわば申告書のようなものです。
応募課題が採択された時、研究分担者として研究を遂行する意志がある、承諾していることを研究代表者に示すものです。
それと同時に「不正は行いません」と宣言する形にもなっています。


対する他機関用の研究分担者承諾書は、研究分担者になる研究者本人だけが承諾していても意味がありません。
本人はやる気だとしても、所属研究機関は本来の職務に不都合があるという理由で認めないかもしれません。

また、研究分担者は研究代表者から研究費の配分を受けるため、その研究費の執行・管理などは
研究分担者の所属する研究機関が行うことになります。
その意味でも事前に了解を得る必要があります。

その為、他機関の研究者に研究分担者として参加して貰う為には、本人だけでなくその研究者の所属長の承認印もいります。
それも「研究組織としてきちんと認めていますよ」と示さないといけないため、承認印は公印です。
間違っても三文判などで私印を押してはいけません。公印なのです。結構、おおごとなんですよ。


研究分担者承諾書の提出先は、研究代表者の所属研究機関


この研究分担者承諾書の提出先は、文部科学省や日本学術振興会ではありません
研究代表者の所属研究機関で適切に管理し保管することになっています。

科研費の事務処理を行う所属研究機関の方でこの書類を取り扱うことにより、事務処理がスムーズになります。
所属研究機関で申請書をとりまとめ提出処理を行うため、提出書類と承諾書を照らし合わせることができ、
採択された場合、研究分担者本人が、研究分担者として参加することを了解しているかどうかの確認ができます。

この書類がなかった時は研究者同士が電話やメール一本で「分担者になって」とお願いすればすんでいたため、
著名な人ほどいつの間にかものすごい数の研究課題に名前が入っているケースがあったわけです。
下手すると事後承諾で、採択後に「参加出来ない」とトラブルになることも起こりえます。
著名人の名前があると、審査員も点数が甘くなると考える人もいるので名前だけの研究者が研究組織を構成することもあったのです。


また、他機関用の研究分担者承諾書が手元にあるということは、その研究課題が採択された場合、
研究代表者の所属機関に一括配分された研究費を研究分担者の所属機関に分けなければなりません。

研究代表者の所属研究機関の担当者は、研究分担者の研究機関に研究費の一部を振り込みますし、
研究分担者の所属研究機関の担当者は、研究代表者の所属研究機関から研究費の一部を受け取らなければいけません。

このような事務作業も応募段階で承諾書をやりとりしているため、その後の連絡もスムーズに進みます。


研究者側にしてみれば、研究組織が大きくなればなるほど承諾書の枚数も増えるし、
その上、苦労して取得しても不採択になる可能性もあるのでめんどくさいかもしれませんが、いろんな意味で合理的な紙切れです。

もし、こういったやりとりがめんどくさいのであれば、自分一人が研究のとりまとめをする覚悟で、
他の研究者には連携研究者や研究協力者として参加して頂く方法もあります。
その場合、例えば、連携研究者が必要とする研究費の処理もすべて研究代表者が行うことになります。


研究分担者承諾書は応募内容ファイルのダウンロードページのさらに下の方にありますので、
ダウンロードして作成し、適切な手続きをとってください。

H30公募要領・計画調書 公募要領・研究計画調書等のダウンロードページ
 U研究者が作成する様式 3.研究分担者承諾書 に掲載されています。


posted by もとじむ at 2017年10月18日 last update | 研究計画調書 各項目の解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする