「設備備品費の明細」の書き方

これまで「研究目的、方法など」で応募研究の背景や意義、応募研究を何年計画で行い、
年度ごとにどのような方法で研究を進めていくかを述べました。
さらに「準備状況」や「研究業績」等の補足項目で述べたことで応募研究の実現性がより伝えることができました。
最後の仕上げがこちらの「研究経費の明細」。

これまでに述べてきた研究を実際に実行するために一体いくらの経費を要求しているのか。
そしてその経費で何を買うのかを具体的に書いていくのがこちらのページです。
研究経費は、「設備備品費」「消耗品費」「旅費等」の項目にわけられています。

設備備品とは?


科研費の採択後は所属している研究機関が事務取扱を行うことになっています。
科研費によって購入した備品は、購入後、ただちに研究代表者及び研究分担者の所属研究機関に寄付し、
研究機関が適切な管理をすることになっています。

設備備品というのは一般に耐久性がある物品を購入する時に使われる言葉で、
私の所属していた大学では1品の値段が10万円を超える耐久品もしくは1万円を超える図書を「設備備品」として、
科研費の交付年度内に「備品」及び「図書」として登録し、管理していました。
(これらについては大学によって基準がまちまちです。今はパソコンなど安いので設備にはならないけど、
 パソコンは別の形で管理していたりしますしね。)


その為、科研費の応募の際にも原則として、10万円を超える耐久品(測定器やパソコンなど)や図書を備品としてあげてもらいました。
今では1万円以下でも買えるコンパクトデジカメや雑誌類などは消耗品扱い。
ざっくり言うと備品として扱うものは学園の規程により壊れた時に修理ができますが、安い物品は修理するより買った方が安い。
そういう物は消耗品という扱いだったのです。
※この辺りの取扱は各所属研究機関によって異なると思いますので、よく確認してください。

ちなみに文部科学省が所管する補助金でも科研費以外では、研究費で購入した物品の帰属は文部科学省になるものも多く、
そうなると物品の設置場所は大学の研究室でも、その物品の持ち主は「文部科学省」で、管理だけを大学が任されているという複雑な扱いになります。
科研費は、「所属研究機関の物」になります。研究者個人の私物にはできませんのでご留意ください。

というわけで、「設備備品費の明細」とは、応募課題を遂行するにあたり、新たに購入する必要がある耐久品を具体的に記入する欄です。


研究経費とその必要性欄が電子申請システムからの入力に変更!!


研究計画調書の記入要領を確認すると、

※「研究経費とその必要性」欄、「研究費の応募・受入等の状況」欄は平成30年度公募より電子申請システムにより入力することとしています。当該欄の入力に当たっては、「平成30年度研究計画調書(Web入力項目)(基盤研究(A・B・C)、挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究)作成・入力要領」(117頁)を確認してください。

とあります。

これまで研究計画調書欄に年度ごとに分けつつ明細を入力していましたが、こちらがシステム上からの入力になりました。
年度ごとの計算を自動でしてくれたり、品名、設置場所などの記入漏れがなくなり、事務方は大助かりでしょう。
先生方も面倒くさかったでしょうし。

必要な備品を上げ、その備品をいつ購入するのかを決める。


研究計画に応じ、各年度に必要な物を必要なだけ上げます。

 ◇何年度に買うか。
 ◇具体的に何をどのくらい買うのか。 品名・仕様 数量×単価
 ◇購入した物品はどこに置くのか。 設置機関
 ◇いくら必要か

これらを年度ごとにまとめ、具体的に入力していきます。

様式の表の中にある「品名・仕様(数量×単価)(設置機関)」を見落とす先生が多かったのですが、
これは単価の高い耐久備品であるため、管理者をきちんと明確にするためでしょう。
当然ながら、この設置機関は研究代表者及び研究分担者、連携研究者の所属研究機関になるのが一般的です。

システム上の入力になり、それぞれにテキストボックスが表示されるため、間違えようがなくなりました。

kenkyuhi-h30.jpg

設備、備品、消耗品を購入する場合の必要性も明記する


これまで研究計画調書上で別立てだった、設備等の必要性欄も電子申請システム上から入力できるようになりました。
その際、必要性は設備・備品、消耗品などの物品の必要性と、旅費、謝金等の役務等の必要性に分けられました。
それぞれ、忘れずに記入してください。

ちなみにこれまでの設備備品、消耗品費の一覧はこんな感じに仕上がっていました。

設備備品費・消耗品費の書き方の例 (金額単位:千円)
設備備品費の明細消耗品費の明細
年度品名・仕様
(数量×単価)(設置機関)
金額品名金額
29○○システム(〜〜社製 型番00-00) 一式
(内訳)
 ・○×装置
 ・□△○器
 ・モニタ用PC (☆☆大学)
デジタルカメラ・△■社 XX-XX
(1×100千円)(☆☆大学)
3,000



100
○○○○
○△○△
☆○☆○
10
20
100
3,100130
30なし□○□○
○○○○
□□□□
▽□▽□
500
30
50
300
0880
31××解析装置 ×△社製 型番
(1×500千円)(△△大学)
500××××
△△△■
◎○☆
100
200
300
500600


システム上でテキストボックス内に入力したモノも最終的にpdfファイルとして出力される際には
これと同じような形で表示されます。

また、この欄に書いた購入物品は、あくまでも科研費を応募する段階で世の中に出回っている機材です。

実際に採択された後、もっと機能性に優れた装置が安値で買えることもあるはずですが、
採択されると、採択された研究費の金額(通常、応募の金額よりも減額されています)で研究計画を修正しますので、
必ずしもここに書かれたメーカーや型番にこだわる必要はありません。

あくまでもここでは、応募研究課題を計画通りに遂行するにはどのような物が必要か、具体的に物品を上げる欄になります。

審査員が見ているのは細かい機材の型番などではなく、研究を計画通りに進められるかどうかであって、
研究計画に沿った機材であれば、特に問題視をされることもないはずです。

なお、それぞれの年度に必要な研究経費の合計のうち、設備備品費がその年度の研究費の90%を超える場合、
当該経費の必要性を「研究経費の妥当性・必要性」欄に記述する必要があります
ので、ご留意ください。


posted by もとじむ at 2017年10月08日 last update | 研究計画調書 各項目の解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする