「研究経費の妥当性・必要性」の書き方

この欄はよく「なんでこんな欄があるの?」「研究経費で細かく書いているんだから必要に決まってる。それをどう説明するの?」etc...
何をどう書いていいのか、サッパリわからない!と聞かれることがしばしばありました。
以前、科研費では「海外渡航旅費が研究経費の40%を超えてはいけない」とか、
「設備備品の購入費を与えるんじゃないんだから設備だけで9割り超えちゃだめ」とかいうルールがあったんですよ。
でも、研究によっては文科省や審査員である他の研究者の常識とは全く異なる研究があるかもしれず、
「どうしてもこの経費配分で研究が成り立たないんだ!」という声が寄せられたんだと思います。

また、国の補助金ですから、既にある研究環境は大いに利用し、それ以外に必要な物を経費として請求するのが望ましいというスタンスです。
他の研究費や学内に常設してある設備を活用しつつ、消耗品や旅費などだけを科研費で請求するケースはよくありますが、
逆に「消耗品は現在持っている物を使えるんだ!(or必要ないんだ!)だから設備費の割合が多くなるのだ!」と言われる場合もあるわけです。
なので、請求する研究費が必要経費であり、妥当な経費であることを言葉で説明する欄が設けられたのだと思われます。
誰が見てもごくごく一般的な経費請求をしている場合は、あんまり深く考えなくてもいいと思います。


研究計画調書 記入要領を確認する


研究計画調書の記入要領を確認すると、

(1)「研究目的」「研究計画・方法」「これまでに受けた研究費とその成果等」「研究経費の妥当性・必要性 」欄
  研究計画調書に記載している指示に従って記述してください。


とありますので、研究計画調書(基盤研究(C)様式S-1-8)を見てください。

この10ページがの下枠内が「研究経費の妥当性・必要性」を記載すべきページです。
この10ページの枠内の上部にあるのが「研究計画調書に記載している指示」にあたります。

平成29年度の様式S-1-8によると、指示は次の通りです。

研究経費の妥当性・必要性
本欄には、「研究計画・方法」欄で述べた研究規模、研究体制等を踏まえ、次頁以降に記入する研究経費の妥当性・必要性・積算根拠について記述してください。また、研究計画のいずれかの年度において、各費目(設備備品費、旅費、人件費・謝金)が全体の研究経費の90%を超える場合及びその他の費目で、特に大きな割合を占める経費がある場合には、当該経費の必要性(内訳等)を記述してください。


例えば、これまでに研究機関から受けている研究費等によって既に購入した研究設備や備品があるはずです。

 今回応募する研究では、「◎×測定装置」と「××計測器」をそれぞれ◎△するための実験で使用するが、
 それらは既に研究室に常備しているため、その装置を動かす為に必要な消耗品を購入することで
 ××年度の◇◇実験は充分可能であり、測定に必要な消耗品費のみを計上している。
 また、それぞれの年度で得られた研究結果は国内学会で年に1回、国際学会で1回発表する予定であり、
 その旅費を研究経費に含めている。


といった具合に、11ページ以降に請求する研究経費がどのような場面で必要としている物かを言葉で説明します。


また、注意書きにもある様に、特にいずれかの項目の金額の割合が突出して多い場合は、
その経費がどうしても必要なことをモーレツにアピールしないといけません

審査員は研究の内容をいいか悪いか評価すると同時に、仮にその研究を採択した場合、いくらくらい必要かも見ています。
審査員に「こんなに研究費かからないだろ。」と思われると研究経費は削られます

応募する研究者が研究費をわざと多めに見積もっていると判断されることもありますし、
それ以上に、公的資金というのは予算というものがあります。
より多くの研究者に研究資金を与えることを考えると、配分額を必要最低限にするのは当たり前といえば当たり前。
(そもそも、今まで経費を削られずに満額で交付された課題はみたことがありません。)

なので、一般的に見て、極端に経費の使い道が偏っている場合や、どうしても研究に必要な物があり、それが非常に高額だった場合などは、
「とにかくどうしてもいる経費なんです!」とこの欄で審査員に訴えてください。

それほど特殊な経費の見積もり方をしていない場合は、あまり深く考えずに淡々と書けば大丈夫です。




posted by もとじむ at 2016年10月13日 last update | 研究計画調書 各項目の解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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