意外とできてないのが書くべきことを書くべき欄に書くこと。

タイトルを見て「何を言ってるんだ。当たり前のことだろう?」と思われた方は多いと思いますが、
これまた「意外と」と書いたとおり、これに当てはまる方が結構いらっしゃいます。

事務的項目が明らかに間違っている場合、例えばエフォートなどの欄に細かな説明が書かれていたりすれば、
「これはこういう趣旨の欄なので、説明は不用です。」とフォローを入れることもできるのですが、
研究内容と研究方法がごちゃごちゃになっていて、研究の背景を書くべき所に、具体的な研究方法を述べているものなどもあり、
こういった内容に触れるものは事務担当者にはつっこみきれません。(先生のプライドが傷つくので。)

また、昔の科研費の研究計画調書は非常にシンプルで、表題や審査希望分野などを書いた表紙が最初にあって、
その後、研究目的、研究内容、研究経費、研究業績と書くことはこのくらいで終わりでした。
だからそれなりに書く方も混乱せずにスムーズにかけたはずです。

しかし、最近は、この他に「研究の準備状況」や「これまでに受けた研究費やその関連性」「人権の保護や法令等の遵守への対応」「研究経費の妥当性・必要性」「研究費の応募・受入等の状況・エフォート」といった具合に、研究の内容を様々な面から説明するための欄が増えていました。

その上、平成30年度の公募から、研究目的と研究方法欄が統合、研究の準備状況欄の変更、研究経費、研究費所応募状況欄などは電子申請システムから入力になるなど、大幅に変更となっています。
よく見れば合理的に変更となっていますが、今年はとまどうかもしれません。


科研費の応募書類はマニュアルなどを隅から隅まで読み込むのが苦にならないタイプには非常にわかりやすいと思います。

例えば、保険や投資信託の約款を隅から隅まで読まないと気が済まないようなタイプ(そういう人知り合いにいるのです。)であれば、
書くべきことを書くべき欄に書くなど当たり前の話で、間違えることはないでしょう。

大学の事務員ともなると文科省から来る書類はどれも同じ調子ですし、読みとり方も自然に身に付きます。
ただ、公的機関相手の書類は慣れれば大変わかりやすいですが、慣れるまではそれなりに時間がかかると思います。
さらに科研費は科研費独自の様々な分類などがあり、初めてで完璧に理解するのは難しいことでしょう。

また、以前は研究計画調書は文部科学省から購入していましたので、各様式の記入要領と応募様式が1冊にまとまっていました。
現在のダウンロード版は表紙部分は電子入力、様式とマニュアル系の書類(公募要領、研究計画調書記入要領)は別々にダウンロードする必要があります。

さらに文科省が主催する説明会では、前年度までの公募内容と変更された箇所や、研究機関の代表者から寄せられた質問などを元に、
研究計画調書の作成について、具体例を含めわかりやすく作られた説明会資料を別に配付してくれます。

また、研究計画調書の様式の中に各項目ごとに具体的に「ここには何を書きなさい」という指示まであって、
公募要領、記入要領、様式、説明会資料といった、全ての書類を読めば、過不足なく、完璧な情報が出そろってはいるのですが、
一つの競争的資金に応募するのにこれだけいろいろな書類があり、いろんな箇所に説明が分散してしまっているのですから、
混乱しないわけがないよなぁ・・・という感じです。

さらにそれらの資料をダウンロードで得るようになってしまうと、提供側の経費も削減出来るし、
受け取る側もいつでも簡単に得ることができるので便利ですが、
情報を過不足なく全ての応募者の手元に届けるられているかといえば疑問も残ります

しかし、「科研費の計画調書は誰もが書きやすい申請書類。」にも書きましたが、
科研費の研究計画調書は、書くべきことを書くべき場所にかくことにより、研究の内容が審査員にわかりやすく伝わるようにできています。

初めて様式を見た人は混乱するかもしれませんが、研究内容や研究方法といった核となる部分を覗けば、
いわば、自分の研究体制や取り組みをアピールしたりする補足的なものです。

前置きがながくなりましたが、次から書くべきことを書くべき欄に書くために、つまり間違えないために
何がどこに書いてあるのかや、その趣旨などを「科研費の公募にまつわる資料や様式の種類の解説。」で具体的に説明します。




posted by もとじむ at 2017年09月27日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする