初めまして。私は某大学で研究助成金獲得業務を行ってきた「もとじむ」と申します。
このサイトを作ろうと思ったきっかけは業務外で知り合った他大学の教員の方のお話を伺ったことです。
研究機関によっては研究への細かいサポート体制がないということを知り、
もしかしたら私のつたない経験でも役に立ててもらえるのかもしれないと思い立ちました。
このサイトをご覧戴くに辺り、「はじめに」と「ご留意頂きたいこと」をご覧いただき、ご理解ください。
非営利目的であり、更新頻度は一定ではありません。時々、思い出した様に記事を追加することになると思います。

平成30年度の科研費の公募が始まりました。
今回の公募より、応募分野の大規模な変更、審査方法の変更、様式の変更等、かなり大がかりな変更があります。
また、若手研究の区分けの撤廃、年齢による条件の撤廃(博士号取得年度からの年数で判断)等、条件面での変更もいろいろありますのでご注意ください。
このサイトでは順番に記事を更新していきますが、全てのページが新様式に書き換わるまではかなりの時間を要しますので、ご容赦願います。
目次

留意事項やお知らせ
はじめに。このサイトを開設したきっかけ。
ご覧頂くに当たってご留意頂きたいことなど。
科研費関連サイトリンク集

研究計画調書作成のポイント
科研費の計画調書は誰もが書きやすい申請書類。
研究種目の選び方
審査希望分野の選び方
研究組織(研究代表者、分担者、連携研究者、外国人)の考え方
最も重要なのは研究の背景をどう書くか。 
審査員の目を想像しながら計画調書を組立てる(1)
審査員の目を想像しながら計画調書を組立てる(2)
採択の分かれ目は「普通プラスα」。5段階評価の真実。
効果的に審査員に研究内容を訴える書き方の例
意外とできてないのが書くべきことを書くべき欄に書くこと。
科研費の公募にまつわる資料や様式の種類の解説。
研究費の考え方、組立て方。

研究計画調書 各項目の書き方 具体的解説
「研究目的」の書き方
「研究計画・方法」の書き方
「研究の準備状況及び研究成果を発信する方法」の書き方
「研究計画最終年度前年度の応募を行う場合の記入事項」の書き方
「研究業績」の書き方
「これまでに受けた研究費とその成果等」の書き方
「研究計画と研究進捗評価を受けた研究課題の関連性」の書き方
「人権の保護及び法令等の遵守への対応」の書き方
「研究経費の妥当性・必要性」の書き方 
「設備備品費の明細」の書き方 
「消耗品費の明細」の書き方
「旅費等の明細:国内旅費、外国旅費」の書き方 
「旅費等の明細:人件費・謝金、その他」の書き方 
「研究費の応募・受入等の状況・エフォート」の書き方
若手研究:「研究略歴」の書き方
研究分担者承諾書とは?
「応募情報(Web入力項目)」と「応募内容ファイル」。提出までの流れ。

研究者が噂する科研費審査都市伝説?
科研費は国立大学に所属していると採択されやすいのか?
審査員は3年で入れ替わるのでしつこく出せば3年目にお情けで通る?
文系の申請書は控えめな金額で出さないと通らない?
図表やイラストはカラフルに仕上げる方がよい?


採択の分かれ目は「普通プラスα」。5段階評価の真実。

科研費の審査は科研費はピア・レビュー(=専門分野の近い複数の研究者による審査)という形式をとっています。
審査員はこれまでにその分野でなんらかの実績を残してこられた研究者です。
審査される側としては、審査員をするくらいだからその分野での知見は人よりもずば抜けて秀でており、なんでも知っていると思いがちですが、そうでしょうか?

そもそも学術研究は他に誰もやったことのないことをやるからこそ意味があること。
審査員はなんらかの秀でた知見や実績を持っているのは明らかですが、その審査分野がカバーする範囲の学術研究を何でも理解しているわけではありません。
研究計画調書を作成するときは、応募課題に関する限り、専門家は自分一人という思いこみが大事だと思います。
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posted by もとじむ at 2017年09月20日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

審査希望分野の選び方

科研費を獲得するためには研究計画調書(申請書)の中身で研究をいかにPRするかが最も大事なことですが、
いくら研究計画調書をしっかり書いたとしても提出する審査分野を誤ると採択率は半減します。
科研費は自分の研究計画調書をどの分野の審査員に審査して貰うかを自分で選ぶことができます。

平成29年度公募分までは、公募要領に記載された「系・分野・分科・細目」のなかから提出する課題に見合った分野を一つ選ぶ方式でしたが、
平成30年度からこの「審査区分」が変更となりました。
審査区分が「大区分」「中区分」「小区分」と分け方が大きく区分けされ、応募する研究種目により、審査方法が変わってきます。
このホームページは、科研費に応募してもなかなか通らない方を想定して記事を書いておりますので、
文章のベースが基盤研究(C)や若手研究となっております。
基盤研究(B)および(C)、若手研究の場合、一番細かな審査区分である「小区分」で応募し、
同一の審査委員により2段階の審査が行われます。
これまで2段階目の審査では、審査員が変わり、会議体としての合議審査をしていましたが、これが全て電子システム上での審査になります。

応募するときの審査区分のポイントは、このような審査体制を理解した上で、
「どの分野の専門家集団が、一番この研究を高く評価するか」という目線で検討してみてください。
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posted by もとじむ at 2017年09月16日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

審査員の目を想像しながら計画調書を組立てる(2)

前のページで審査員に効果的に研究をアピールし続けて100%の採択率をほこっていた先生を例に出し、
どんな風に研究計画調書を書いていたかなどをご説明しました。
審査員はどんな人か、何を評価するかなどを想像し、客観的に自分の応募課題を分析してみましょう。といった内容です。
科研費の審査は科研費はピア・レビュー(=研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証)という形式をとっています。
審査員が同業の学者なのですから学者がどういう目で人の研究を見るかという視点に立って、
研究計画調書を書きましょうということです。
しかし中身がどうのという以前にもっと基本的なことで審査を自ら不利にしている方も多くいらっしゃいます
今回はその辺りについて書きたいと思います。
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posted by もとじむ at 2017年09月15日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

審査員の目を想像しながら計画調書を組立てる(1)

科研費の計画調書は誰もが書きやすい申請書類。」にも書きましたが、科研費はピア・レビュー(=研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証)を経て審査されます
民間の助成団体や企業との共同研究などは資金提供側からの研究の方向性や成果の要求に応える必要がありますが、
科研費は広い意味での学術研究の発展を目的としているため、この方式が最も適切だと判断されたのでしょう。

当然、審査員が誰かまでは公表されませんが、応募する分野に置いて、相応の実績を持つ研究者だと想像できます。
近年では審査をより公平に行う目的で日本学術振興会が審査員対象者のデータベース化を進めており、
学協会から情報提供や学術システムセンターからの推薦、さらに科研費に採択されたことのある研究代表者を
データベースに登録し、その中から必要に応じて審査員が選ばれます。
ある日突然、研究機関の科研費担当者宛に書類がやってきて、「お宅の◎○先生に審査員してもらいたいんだけど本人に了解とってくれない?」という確認を頼まれます。(書面です。そしてこんなラフな文章じゃないです。当たり前ですけど。)
先生が審査員になることを了承すると、審査書類の束が入っていると思われるびっちりとのり付けされた封筒が
「これを◎○先生に渡してね」と添え書きつきでぼーーんと送られてきます。

封筒の厚みはその時々によってまちまちです。
応募書類が多い研究種目、審査分野だと厚くなるでしょうが、密封されているため、
どの研究種目のどの分野の書類を審査しているかは本人にしかわかりません。
その後は審査員となった先生が指定の手順に従って公平に審査し、評価書類を学振に返送するわけです。

つまり先生のとなりの講座・研究室にいる同僚の先生が過去に科研費に通ったことがある場合、
その先生は今年の科研費の審査員の一人かもしれません。
(審査の公平性を期すために同じ所属研究機関の研究者の応募書類を審査させたりはしないと思いますけども。)
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posted by もとじむ at 2017年09月13日 last update | 研究計画調書作成のポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

審査員は3年で入れ替わるのでしつこく出せば3年目にお情けで通る?

科研費はピア・レビュー(=研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証)を経て審査されます。
かつては一度審査員になることを了承すると、その分野での科研費の審査員を3年間になっていました。
現在は、2年サイクルで審査員が入れ替わります。

ある時、科研費の提出締め切りギリギリになってとある先生から電話がかかってきました。
「どーしても間に合わないから、ほんの数日だけ待ってくれない?」
「いいですよ。ぶっちゃけていえばほとんどの先生が締め切り日に提出してこられますので、当日中にチェックしきれないんですよ。
 だから1人や2人が数日遅れたところで、事務取扱としてはあまり問題にはなりません。」

先生の数が多い大学ではこんな要求飲めないと思います。
一人が二人になり二人が三人になり・・・と締め切りを守らない人が増えていって収拾がつかなくなる。
科研費は研究組織として一括提出が原則ですから、一人のために全員が提出出来ないなんてことになりかねないからです。
(※現在は電子申請なので、さくっとボタン一つで提出完了です。)

でも弱小大学としては少しでも多く科研費を取りたいわけです。
「どうしても出したい!」とわざわざ電話をかけてくるということは研究に対する情熱も持っておられるわけで、
実際、こういう先生ほど、通るんですね。採択率はかなり高かったです。
大きな声で「締め切り過ぎてもいいよ」なんていうと他の先生に申し訳ないので、「内緒ですよ」と念を押すのは忘れませんでしたが。

で、この先生、結局、翌年の春に応募課題が採択されました。その時に言われたのがタイトルの台詞です。
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posted by もとじむ at 2017年09月12日 last update | 研究者が噂する審査都市伝説? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする